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協議会からの声明(東美濃ナンバーの意義について)

 

人口減少の中

観光を切り口に地域経済の活性化を図る

 

 現在、我が国では、人口減少が進んでおります。無論、当地域も例外ではありません。そんな環境下でいかに地域経済を活性化させていくかを考える必要があります。

 その活性化の大きな柱の一つとなり得るものが観光であり、それは私たちばかりでなく日本全国の共通した想いです。今や全国各地で、国内外から観光客を呼び込むためのアイディアが絞り出されています。

 観光を単に旅行者と応対する宿泊施設や飲食店、土産物屋だけのものと考えてはいけません。観光こそは、地域のあらゆる産業と住民を巻き込んだ、地域経済活性化のツールであると捉える必要があります。つまり、地域資源を磨き、周知を図り、いかに多くの方にお金を使っていただき、それを地域の潤いに繋げるかが重要です。

 この地を訪れる観光客の皆様に一円でも多くのお金を使っていただくためには、数も必要ですが、それ以上にお客様にいかに長時間滞在していただくかという観点で考える必要があります。日帰りより一泊、一泊より二泊と滞在時間に比例して消費される金額は増えていきます。そして、それを地域内で循環させ経済発展に繋げなければなりません。そのように考えた時、各行政区単位ではなく、広域的な視野に立って活動をしていかねばならないことは、当然のことです。

 こうした視点から、観光を切り口に広域的に地域の活性化に取り組んでいこうと6市1町を一体とするエリアが形成されました。こうして、エリアが確立されると、どうしても必要となるものが、文化的・歴史的必然性があって分かりやすい名称です。

 この様な経緯を踏まえ、6市1町を象徴し、ブランド化し得る名称として浮かび上がったものが、「東美濃」です。

 

東濃は、内なる呼称

 

 「東美濃」以外にも、「恵那山」「中山道」「織部」などの名称が思い浮かぶかもしれません。しかし、それらは6市1町全体の名称となり得るでしょうか。多治見市や可児市が「恵那山」でまとまるとは到底思えません。「織部」も同様に、中津川市や恵那市には、縁がありません。

 それでは「東濃」という名称はどうでしょうか。元々、東濃という呼び方は、東美濃から真ん中の「美」を省いた略称です。私たち、岐阜県に住む者には、東濃や中濃、西濃と言う名称が通じますが、それは岐阜県の地図が頭に入っていて初めて可能なことです。仮に、東日本の「日」を省いて「東本」と言ったらどうでしょう。一番肝心な「日」を抜いてしまったら、意味不明の名称になってしまいます。何と読むのか、どこを指すのかも解りません。それと同じです。また、東濃、中濃、西濃は、薩摩や肥後、或いは備前、越後などと違って歴史に登場しません。つまり、この地に縁のない人には、聞いたことも書いたこともない名称です。「東濃」は内なる呼称であり、全国へ向けてのブランド化は難しいことがお分かり頂けると思います。

 

「東美濃ナンバー」は、目的ではなく手段

 

 その点、美濃の名称は『古事記』にも『源平合戦』にも登場するように古の時代から使われています。「美濃を制する者は天下を制す」と言う表現は広く知られています。三英傑とも深い結び付きがある土地柄です。美濃は、近江や駿河などと並んで歴史的にも認知された知名度のある地域です。そして、その美濃の東部、「東美濃」と言えば、日本のどの辺りに位置するかは、大方理解していただけると思います。

 さて、次に必要なことは、この「東美濃」が6市1町を表す名称であることを内外に周知することです。そのための、手段として考え出されたのが「東美濃ナンバー」であり、決して単なる自動車に付く「ご当地ナンバー」では、ありません。

 

地域の一体感を示す旗印

 

 リニア開通まで10年を切った今、「東美濃ナンバー」の導入は、この地域の経済界、行政が取り組む第一歩として大きな意義を感じております。「東美濃」というご当地ナンバーを旗印として地域の一体感を醸成し、東美濃の観光を中心とした経済文化交流圏づくりを進めていくことが、地域活性化に必ずや直結することと確信しております。

 

今が、チャンス

 

 毎年、47都道府県の知名度やイメージなどをランキングする「地域ブランド調査」が発表されています。それによると、岐阜県は昨年が37位、一昨年は42位という極めて低い評価でした。残念ですが、これが実状です。今、私たちは、この結果を謙虚に受け止め、前に向かって努力してゆく必要があります。万策を講じてブランド力をアップさせねばなりません。

 幸い、現在放送中のNHKの連続テレビ小説『半分、青い。』の主人公の出身地は「東美濃市」です。「東美濃市」の名称は毎朝全国に流れます。それに「東美濃ナンバー」を重ね合わせ、ブランド力と地域の連帯感を盛り上げる絶好のタイミングです。

 今が、チャンスです。

 どうか「東美濃ナンバー」にご理解賜らんことをお願い申し上げます。

 

 

平成30年4月25

 

東美濃ナンバー実現協議会

 

 

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